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タグ:ロマンティックコメディ ( 3 ) タグの人気記事

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このキュートな表紙からは想像もつかない展開に…。


前回そして前々回と、シリアスな内容の本が続いたせいでライトなロマンティックコメディが読みたくなり、自宅の積ん読ラインナップの中からこちらを選択しました。この本は、何カ月か前に紀伊国屋書店の洋書売り場で見つけました。イラストのわんちゃんがかつて我が家にいたレトリバー犬にそっくりで、天国のあの子からの「この本は買うべき!」という声が聞こえた気がしたのです(この時の自分、きっと疲れてたんだろうな)。

カバーの賞賛コメントに "funny" とか "hilarious" とか "sore-stomach-laughing" といった単語が並んでいるので、大笑いできるフィクションが読みたくなった時のために(そういう本がウチには少なかったりします)手元に置いておいてもいいかなーと考え、購入に至ったわけですが…。

[あらすじ]
舞台は現代の英国・シェフィールド。街で最も評判の悪いイタリアンレストランでウェイトレスとして働いていたジョージーナは、ある事件がきっかけで突如クビになってしまいます。失意のうちに恋人ロビンのアパートを訪ねたジョージーナでしたが、そこで見たものは、ベッドで別の女性と絡み合う恋人の姿でした。その後、ジョージーナは街のアイリッシュパブで働くことになりましたが、その店のオーナーはなんと、12年前の淡い恋のお相手だったルーカスでした。何かが始まる予感に胸をときめかせるジョージーナ。ところがルーカスの方は、彼女のことを何も覚えていないようで…。

上記は、背表紙に書かれたあらすじ全文を超訳したものです。これを読む限りでは、いかにもRom-Comの王道といった印象です。しかしこのあらすじは物語のほんのさわり部分に過ぎず、気楽なラブストーリーを期待していた私には予想もつかない、意外な展開が待っていました。それは、私が当初求めていたライトなコメディとは少々違うものでした。

物語が進行するにつれて、ジョージーナの過去が明らかになっていきます。ジョージーナが経験したことは、女性としてかなり身につまされる出来事です。彼女ほどのひどい目には遭っていないとしても、女性なら多かれ少なかれ、誰もがジョージーナと同じような気持ちを味わったことがあるのではないでしょうか。読み終わる頃にはジョージーナが愛おしくなり、彼女をそっと抱きしめたくなるはずです。

ただですね…この本、前半部分が冗長で、読むのがちょっと辛かったんですよね。展開がスローな上に、ジョージーナの身の上を語るのに風呂敷を広げ過ぎて焦点がボケちゃってるんです。ただでさえ私なんかはノー天気なRom-Comを期待していたので、戸惑いはハンパなかったです。例えていうなら、焼肉屋の看板に惹かれて入ったお店が実はお寿司屋さんだった(ただしメニューには焼肉もあるしカレーもある)…みたいな。

前半部分をもう少しコンパクトにまとめて、50ページ分ぐらい削ってくれたらもっと読みやすくなったかな…と思います。あと、賞賛コメントで言われてるほど「大笑い」できる要素はなかったような…。英国式ユーモアを私が理解できていないだけ?かな??

まあでも広げた風呂敷は後半で綺麗にたたまれ、美味しい焼肉にもありつけたので、結果的には大満足だったのですが。それに、大笑いするほどではなかったにせよ、読後には清々しい幸福感に浸れたので、看板に偽りはなかった(一応)…ということにしておきます。

「結婚すれば人生あがり」の時代はとっくの昔に終わっているし、世の中の理不尽に対して女性がようやく声を上げられるようになった今、甘いロマンスの要素以外にもいろいろと盛り込まないと、読者の共感を得られないのかもしれませんね。Rom-Comも時代とともに進化していることを実感した1冊でした。


※著者のファーストネーム "Mhairi" は Vah-Ree と発音するそうで…。余計に困惑w


※「冒頭で主人公が職場をクビになり、その日に恋人が…」という設定で真っ先に思い出したのがこちらの映画。グウィネス・パルトロウ出演作では一番好きな作品です。

※この本が気に入った方にはこちらのドラマもおすすめです

※この本にはこちらのドラマ的要素もある…かも


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by book-of-dreams | 2019-08-17 16:52 | Rom-Com | Comments(0)
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アメリカ大統領の息子と、イギリスの王子が恋に落ちたら…? 世界を揺るがす大スキャンダルが米英の外交問題に発展!? イギリスのロイヤルファミリーは、伝統と革新のはざまで激しく対立。そしてアメリカは、次期大統領選の真っ最中。2期目を目指すファーストファミリーは、最大のピンチを乗り切れるのかー。

ピート・ブーテジェッジ氏の回顧録を読んでいたところ、次期大統領選とLGBTつながりで、Amazonが絶妙な本をオススメしてくれました。アメリカ人作家Casey McQuistonのデビュー作「Red, White & Royal Blue」です。このキュートな表紙、そして恋に落ちる2人はともに自国のアイコン的存在のイケメン…という設定。これはもう、買わないわけにはいきません。日頃からAmazonのアルゴリズムを鍛えている甲斐あって、Amazonは私の好みをだいぶわかってきたようですね(決して、Amazonに趣味嗜好をすべて握られ、操られているわけではない!!!断じてない!!!!!泣)。

米Amazonやgoodreadsでの評価が高かったこともあり、期待を込めて読み始めたのですが、前半は、正直「うーん…」という感じでした。セレブのイケメン同士が都合よくくっ付く、ありきたりな展開。キャラクター設定も弱く、この2人が惹かれ合う理由がイマイチつかめません。ちょいちょい挟まれるラブシーンも、いかにも腐女子へのサービスで入れときます的な感じで、不必要に繰り返されるだけ。「君の名前で僕を呼んで」のようなハッとする描写があるわけでもなく、ただ退屈なだけでした。性的シーンに頼らずとも2人が愛し合っているとわかるような工夫がもっと欲しかった…。

それでも、SNSとゴシップ紙に常に追いかけ回される有名人の悲哀は十分に伝わってきますし、高級セレブもカメラの回っていないところでは汚い言葉で悪態をついたりするんだろうなあ、などと想像するのが楽しくて、なんとか読み進めることができました。

そうして前半の2人のイチャイチャに耐え切ると、後半からストーリーが一気に動き出し、がぜん面白くなります。前半では影の薄かったアメリカ大統領(女性です)とイギリスの女王の出番がグッと増え、緊張感あふれる展開に。大統領選の陰謀論なども飛び出し、「グッド・ワイフ」「グッド・ファイト」などを観ている人ならニンマリできる内容。主役の2人のキャラクターも前半より輝きを増し、彼らの幸せを願わずにはいられなくなります。

著者のあとがきによると、2016年初めにこの作品の着想を得たものの、同年の大統領選の結果に大きく失望し、いったんは執筆を諦めたそうです。しかし「嫌な現実を忘れ、希望を見いだすことのできる『もう一つの世界』を描きたい」と思い直し、この小説を完成させました。著者の願いどおり、私も(前半部分に目をつむれば)読んでいる間は時間を忘れ、爽やかな読後感を味わうことができました。

著者は「赤い州」ルイジアナ州出身で、現在は「激戦州」のコロラド州在住とのことです。ゲイを公表しているピート・ブティジェッジ氏も「赤い州」のインディアナ州出身。こういう人たちが出てきているということは、未来は明るいのではないでしょうか? 世の中の誰もが愛する人と一緒にいられる時代がそう遠くない日にきっとやってくると思います。


※Fワード、性的シーンが多数登場します。ご注意ください


映画化も決定しているそうですよ >>



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by book-of-dreams | 2019-06-29 19:50 | Rom-Com | Comments(10)
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まだ5月だというのに、真夏のように暑い日が続いていますね。暑さが大の苦手な私は早くもぐったりしています。

今からこんなに暑いようでは、この夏はいったいどうなってしまうのか…とうんざりしながらAmazonを徘徊していたら、アイスティーの色合いが爽やかで涼しげな1冊の本に出会いました。

アメリカ南部ジョージア州の小さな町が舞台の、ロマンスと家族愛を描いた物語。ちょうど、肩の凝らないchick-lit系が読みたい気分だったこともあり、すぐさま注文ボタンをクリックしてしまいました。そして、南部名物のアイスティーが見た目ほど爽やかな味ではないということを、後になって思い出したのでした(後述)。
【あらすじ】
シカゴ育ちのイベントプランナーMargotは、ある日自分の企画したパーティーで大きな失敗を犯し、職を失ってしまう。途方に暮れる彼女のもとにジョージア州に住む大叔母を名乗る女性から連絡が入り、家業を手伝わないかと誘われる。「キャリアと才能を生かせる仕事」だというその家業とは、それまで手がけてきた華やかなパーティーとは正反対の、町の小さな葬儀屋。生活のあてのないMargotは大叔母の誘いをしぶしぶ受け入れ、ジョージアで人生の新たなスタートを切る。
3歳の時に別れたきり音信不通になっていた父親との再会、これまで存在すら知らなかったクセ者揃いの親戚との密接な付き合い、脂肪分と糖分のかたまりのようなボリュームたっぷりの南部料理…。南部の小さな町での暮らしになじめず戸惑うばかりのMargotだったが、瞳の奥に悲しみの色をたたえた魅力的な男性Kyleとの出会いをきっかけに、彼女の心境が少しずつ変化していく…。
この本は「Southern Eclectic」シリーズの第1作めとなります。このシリーズ名が示す通り「アメリカ南部あるある」がいたるところに散りばめられており、北部の大都会シカゴで育ったMargotが南部の習慣に戸惑うさまを楽しみつつ、アメリカのディープな文化を知ることができます。例えば、若い人が目上の女性に対して「Miss + ファーストネーム」で呼びかけるシーンが何度か出てくるのですが、これは主に上流階級の家庭の使用人が女主人に対して使っていたことの名残で、今でも幼稚園児などが先生のことをこの形式で呼ぶらしい…ということを、私はこの本を読んで初めて認識しました。なるほどー、今度『風と共に去りぬ』を見直して確認してみよう。

それから、本のタイトルにもなっているSweet Tea!
ジョージアに着いたばかりのMargotがアイスティーをひと口飲み、あまりの甘さに思わず吐き出してしまいます。そうそう、そうなの。南部のアイスティーってものすごーーーく甘いんですよ!…といっても私はアメリカ南部にはまだ行ったことがないのですが、今から10年ほど前、ニューヨークの南部料理レストランでこの飲み物をいただいたのです。その時のリアクションは、まさにMargotと一緒。半分も飲みきれずに残してしまいました。甘い紅茶というより「紅茶の風味のついた濃ゆーい砂糖水」という表現が正しい。ネットリとした糖分が喉と舌にまとわりつき、水で洗い流しても落ちない感じなのです。砂糖って元々は高級品だったはずなので、そんなに贅沢に使わなくても…と、その時は思ったものです。しかしかつてヨーロッパから南部にやってきた上流階級の人々にとっては、贅沢品だからこそふんだんに使って客人をもてなすことがステータスだったのですね。そんな歴史を知った今となっては、いつか南部に行って本場のSweet iced teaをオーダーし、その甘さに顔をしかめつつ、最後の一滴まで飲み干したいと思っています。

「Sweet Tea and Sympathy」というタイトルは、1956年公開のアメリカ映画「Tea and Sympathy」にちなんだものと思われます。映画の邦題は『お茶と同情』。劇中のセリフからの引用で「(他人との関係は)お茶でも出して、同情を示す程度で十分」つまり「付かず離れずの間柄がちょうどいい」という意味です。ここに「Sweet」という単語がつくことによってスプーン何杯分かの「愛」が加わり、人との関係がグッと縮まるのです。複雑で繊細で面倒くさいけど、やっぱり愛おしい…そんな「人とのつながり」を絶妙に表現する、秀逸なタイトルだと思います。
ついでに言うと『お茶と同情』と言う映画は、公開当時はタブー視されていた同性愛を暗に匂わせる作品です。保守的な南部を舞台にした小説にこの映画のタイトルを使うするあたりが面白いし、今どきな感じがしますよね。

"Sweet Tea and Sympathy (Southern Eclectic)" by Molly Harper -Amazon.co.jp



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by book-of-dreams | 2019-05-25 19:36 | Chick Lit | Comments(6)

趣味で洋書を読んでいます。表紙に一目惚れして衝動買いした洋書のレビュー、本に対する偏愛、英語の勉強などについて綴ります。


by Hiroko