人気ブログランキング |

カテゴリ:本好きのひとりごと( 3 )

e0414617_16593335.jpg

このところ、何かと忙しかったり、予定外の用事が立て続けに入ったりして、本を楽しむ心の余裕がありません。

今読みかけの本は、英文はそんなに難しくなく、ストーリーもスリリングで面白いのです。しかしスキマ時間で細切れにしか読めず、なかなか前に進みません。そして、心がざわざわしていると、本の世界に入り込めず、読んでいても全然楽しくない。やがて、簡単な単語ですら頭に入ってこなくなります。

物事が自分の思い通りに運ばないと、ストレス溜まりますよね。さあ腰を据えて本を読むぞー、と意気込んでいる時に邪魔が入ると、本当にイライラします。

秋分の日の連休は実家に帰りました。実家の猫がお昼寝をしているそばでのんびり読書を楽しむつもりだったのですが、両親との積もる話もあったりして、読めたのは3日間でわずか5ページほどでした…。

はあ〜、がっかり。

しかし、日中寝てばかりいる猫殿を見ていると、じたばたしても無駄だな、と思えてきました。

e0414617_16593925.jpg

猫:「本がなんだって?」

e0414617_16594448.jpg

猫:「本が読めなくてイライラするとか、意味がわからない」

猫:「人間は、考えてもしかたがないことを、難しく考えすぎ」

e0414617_16594726.jpg
猫:「果報は寝て待て」


…はいはい。そうですよね。

今は本を読んでいる時ではない、と神様が言っているのだと思って、目の前の雑事にじっくり向き合うことにしよう。

これまでにも、多忙や精神的な疲労が理由で洋書が読めないということが何度かありました。経験上、そんな時には思い切って読書スイッチをオフにし、別のことに取り組むのがいちばんだと思っています。本からしばらく離れたのちに再び洋書を手に取ってみると、英語を忘れるどころか意外に読めている自分に気づき、嬉しくなったりします。ひとたび自分の脳に刻まれた「洋書を読む喜び」は、時が経っても失われることはないんですね。たぶん。


ということで、10月の初めぐらいまではこんな調子が続くかも…。再び洋書に没頭できる日が来るのを楽しみに、日々やるべきことを粛々とこなしていこうと思います。


こんな時は、これまでに何度も読んだお気に入りの本を寝る前にパラパラめくるだけでも気持ちが落ち着きます。私の心のサプリメントはこちら。日常で使える英語フレーズとともに、ニューヨークの街角で繰り広げられる人間模様が生き生きと描かれている、とびきり素敵なエッセイ集です。シリーズ全9巻の第1作。



Apple Booksにて「ニューヨークの魔法」シリーズ特別編が無料で配信されています。うれしい英語音声付き。



*** いつもお読みいただきありがとうございます ***

洋書ブログランキングに参加しています >> にほんブログ村 洋書ブログ




by book-of-dreams | 2019-09-23 18:14 | 本好きのひとりごと | Comments(2)
e0414617_09004601.jpg
昨年(2018年)ボストンを旅行した際、ハーバード大学のすぐそばにある独立系の本屋さんで「Voracious」という本に出会いました。「地元出身の作家」の棚に並べられているのを見つけ、「可愛い!」と即買いしたものです。

著者はCara Nicolettiさん。ボストンの精肉店の娘として生まれ、現在はニューヨークでソーセージ職人およびfood vloggerとして活躍している女性です。幼少期は、家族がお店を切り盛りするそばで本を読みながら過ごしていたそうです。この本では、Nicolettiさんがこれまでに読んできた本にまつわる思い出と、本に出てくる(もしくは本にインスパイアされた)料理のレシピが紹介されています。柔らかなタッチでページを彩るMarion Bologneseさんのイラストも素敵です。
e0414617_09005084.jpg
ベッドの脇に置いて寝る前にパラパラめくっているだけで、優しい気持ちになれる本。読んでいるとお腹が空いてくるのが困りものですが…。読書も食べることも大好きな私にとって、この本はボストンで見つけた最高の宝物になりました。


話は変わって。

ボストンの食べ物で強く心に残っているのは、ホットドッグです。といっても、私は食べていないのですが…。
e0414617_09005628.jpg
ボストンに到着したその日の夜、ボストン・レッドソックスの試合を見に行きました。平日だというのに、スタンドは超満員でした。試合中、ホットドッグやピーナッツの売り子がスタンドを回ってきます。通路から離れた席に座っている人は、「ホットドッグ2つ!マスタード多めで!!」と大声で叫びます。こんなとき、私のようなシャイな人間なら「叫ぶのは恥ずかしいからトイレのついでに売店で買おう」となりますが、アメリカ人はもちろん遠慮したりしません。そして、代金が周囲の観客のバケツリレーで売り子に届くと、再び観客の連携プレーによってホットドッグが注文した人の元に帰っていく仕組み。

何度目かの「絶叫オーダー」のあと、われわれの座席を回ってきたのはなんと100ドル札でした。普通、アメリカのお店では高額紙幣はまず受け取ってもらえません。これにはスタンドもざわめきます。「マジかよ」「もらっちゃおうかな」「ニセ札じゃねーの」「お釣りあんのか?」そんな声とともに100ドル札は観客の手を渡ってゆき、無事に売り子の元へ届きました。売り子はお札をライトに透かしてニセ物でないことを確かめ、ホットドッグはめでたく注文者の元へ。「お釣りが足りないから、後でそっちに持っていくよ!」売り子さんはそう言って立ち去り、ほどなくしてお釣りはちゃんと返されたようでした。おそらく、崩したお金がバケツリレーの途中で抜き取られたりしないよう、売り子さんが気を使ったのかもしれません。

レッドソックスのファンは終始こんなふうに愉快で、熱くて、人間臭くて、試合そのものより人間ウォッチングをしている方がずっと楽しかったです。私の手を通り過ぎていったホットドッグは大きくて熱々で、とてもいい匂いがしました。その日はひどい時差ボケで胃の調子がおかしく、ホットドッグを食べられなかったことが心残りですが。しかしその数日後、地元のソーセージ職人が書いた心温まる本に巡り会えたのですから、私にとっては100ドル札が束で回ってきたのと同じぐらい、価値のある旅になりました。




ボストン野球観戦の思い出を別館の雑記ブログでも綴っています。


*** いつもお読みいただきありがとうございます ***

洋書ブログランキングに参加しています。
ご訪問のしるしに、以下のリンクをクリックしていただけると励みになります↓



by book-of-dreams | 2019-07-02 22:54 | 本好きのひとりごと | Comments(8)

本を読むことについて

e0414617_11322132.jpg

「上等ってのはね、ハイヒールを履いても痛くならない足を持つことを言うのよ。それとね、足を痛めないハイヒールを買えるってことよ」

山田詠美の短編小説集「放課後の音符(キイノート)」からの言葉です。

この本に出会ったのは大学生のとき。就職活動を間近に控え、自分は何をしたいのか、どんな生き方をしたいのか、どうしたら一人前の大人になれるのかさっぱり見当もつかず、焦りや不安を感じていた頃です。

冒頭に引用した言葉を最初に読んだとき、私の中でかすかな反発の気持ちが生まれました。ハイヒールなんか履いて、女っぽさを武器にして他人に媚びる人生なんてイヤだな、と。一年じゅう古着のジーンズにスニーカーで通していた私ですから、この意見にはとうてい賛同できません。それなのに、なぜかこの言葉が私の頭にこびりついて離れなかったのです。

そして、この言葉が自分の心に響いた理由がわかってからは、今でも私の頭の引き出しから頻繁に出し入れする、大切な言葉になりました。

自分の物差しで自分の考えをはっきり言える、この語り手の姿勢に憧れたのです。

ここで言う「上等」とは、あくまでこの語り手が考えるところの「上等」であり、ハイヒールはあくまでもストーリーを語る上での小道具にすぎません。ハイヒールを他のものに置き換えてもいいのです。

小道具が何であろうと、そこに自分だけの選択基準と自分なりのセンスを持てることが「上等な大人」の証なのです。その基準は、職種や年齢や生き方に合わせておのずと変わっていくもの。自分で定めた基準にときめかなくなったら、その都度片付けていけばいいのです。その跡地には新たな知恵や価値観が入り込むでしょう。そのようにして築いた基準は、「なりたい自分」を作るためのものです。誰かに押しつけるものではないし、他の人から強制されるものでもありません。


「ハイヒールを履ける上等な大人にはなれそうもない」大学生の時にそう悟った私は、今でもほぼ毎日ジーンズとスニーカーという格好で通勤しています。イヤなことはとことんやらない頑固者なので仕事の選択肢は限られますし、収入も決して多くはありません。それでも日々の糧をなんとか得られて、好きな本を月に数冊買うことができれば、十分に幸せです。


本は、生きる上で必要な「自分だけの基準」を作る手助けをしてくれます。
私の頭の中の引き出しには「自分だけの基準」を形成してくれた言葉たちがたくさん詰まっています。


中学生、高校生、大学生の女の子たちへ。
社会に出る前に、本をたくさん読むといいです。

本の中から自分のアンテナに引っかかった言葉を集めて少しずつ「自分だけの基準」を作っていくことで、将来、理不尽なことを強要されたり、そのことで誰かを恨んだりする不毛な時間を、自らの意志で減らすことができます。


最後に、私の思う「上等」とは。

「上等ってのはね、本を通して他人の人生を疑似体験することで、人の気持ちが理解できることを言うのよ。そのうえで、自分以外の誰かに思いやりの心を向けられるってことよ」

うーん。
上等な自分になるには、まだまだ時間がかかりそうです…。




*** いつもお読みいただきありがとうございます ***

洋書ブログランキングに参加しています。
ご訪問のしるしに、以下のリンクをクリックしていただけると励みになります↓


by book-of-dreams | 2019-06-06 20:57 | 本好きのひとりごと | Comments(4)

趣味で洋書を読んでいます。表紙に一目惚れして衝動買いした洋書のレビュー、本に対する偏愛、英語の勉強などについて綴ります。


by Hiroko