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カテゴリ:Chick Lit( 1 )

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まだ5月だというのに、真夏のように暑い日が続いていますね。暑さが大の苦手な私は早くもぐったりしています。

今からこんなに暑いようでは、この夏はいったいどうなってしまうのか…とうんざりしながらAmazonを徘徊していたら、アイスティーの色合いが爽やかで涼しげな1冊の本に出会いました。

アメリカ南部ジョージア州の小さな町が舞台の、ロマンスと家族愛を描いた物語。ちょうど、肩の凝らないchick-lit系が読みたい気分だったこともあり、すぐさま注文ボタンをクリックしてしまいました。そして、南部名物のアイスティーが見た目ほど爽やかな味ではないということを、後になって思い出したのでした(後述)。
【あらすじ】
シカゴ育ちのイベントプランナーMargotは、ある日自分の企画したパーティーで大きな失敗を犯し、職を失ってしまう。途方に暮れる彼女のもとにジョージア州に住む大叔母を名乗る女性から連絡が入り、家業を手伝わないかと誘われる。「キャリアと才能を生かせる仕事」だというその家業とは、それまで手がけてきた華やかなパーティーとは正反対の、町の小さな葬儀屋。生活のあてのないMargotは大叔母の誘いをしぶしぶ受け入れ、ジョージアで人生の新たなスタートを切る。
3歳の時に別れたきり音信不通になっていた父親との再会、これまで存在すら知らなかったクセ者揃いの親戚との密接な付き合い、脂肪分と糖分のかたまりのようなボリュームたっぷりの南部料理…。南部の小さな町での暮らしになじめず戸惑うばかりのMargotだったが、瞳の奥に悲しみの色をたたえた魅力的な男性Kyleとの出会いをきっかけに、彼女の心境が少しずつ変化していく…。
この本は「Southern Eclectic」シリーズの第1作めとなります。このシリーズ名が示す通り「アメリカ南部あるある」がいたるところに散りばめられており、北部の大都会シカゴで育ったMargotが南部の習慣に戸惑うさまを楽しみつつ、アメリカのディープな文化を知ることができます。例えば、若い人が目上の女性に対して「Miss + ファーストネーム」で呼びかけるシーンが何度か出てくるのですが、これは主に上流階級の家庭の使用人が女主人に対して使っていたことの名残で、今でも幼稚園児などが先生のことをこの形式で呼ぶらしい…ということを、私はこの本を読んで初めて認識しました。なるほどー、今度『風と共に去りぬ』を見直して確認してみよう。

それから、本のタイトルにもなっているSweet Tea!
ジョージアに着いたばかりのMargotがアイスティーをひと口飲み、あまりの甘さに思わず吐き出してしまいます。そうそう、そうなの。南部のアイスティーってものすごーーーく甘いんですよ!…といっても私はアメリカ南部にはまだ行ったことがないのですが、今から10年ほど前、ニューヨークの南部料理レストランでこの飲み物をいただいたのです。その時のリアクションは、まさにMargotと一緒。半分も飲みきれずに残してしまいました。甘い紅茶というより「紅茶の風味のついた濃ゆーい砂糖水」という表現が正しい。ネットリとした糖分が喉と舌にまとわりつき、水で洗い流しても落ちない感じなのです。砂糖って元々は高級品だったはずなので、そんなに贅沢に使わなくても…と、その時は思ったものです。しかしかつてヨーロッパから南部にやってきた上流階級の人々にとっては、贅沢品だからこそふんだんに使って客人をもてなすことがステータスだったのですね。そんな歴史を知った今となっては、いつか南部に行って本場のSweet iced teaをオーダーし、その甘さに顔をしかめつつ、最後の一滴まで飲み干したいと思っています。

「Sweet Tea and Sympathy」というタイトルは、1956年公開のアメリカ映画「Tea and Sympathy」にちなんだものと思われます。映画の邦題は『お茶と同情』。劇中のセリフからの引用で「(他人との関係は)お茶でも出して、同情を示す程度で十分」つまり「付かず離れずの間柄がちょうどいい」という意味です。ここに「Sweet」という単語がつくことによってスプーン何杯分かの「愛」が加わり、人との関係がグッと縮まるのです。複雑で繊細で面倒くさいけど、やっぱり愛おしい…そんな「人とのつながり」を絶妙に表現する、秀逸なタイトルだと思います。
ついでに言うと『お茶と同情』と言う映画は、公開当時はタブー視されていた同性愛を暗に匂わせる作品です。保守的な南部を舞台にした小説にこの映画のタイトルを使うするあたりが面白いし、今どきな感じがしますよね。

"Sweet Tea and Sympathy (Southern Eclectic)" by Molly Harper -Amazon.co.jp



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by book-of-dreams | 2019-05-25 19:36 | Chick Lit | Comments(6)

趣味で洋書を読んでいます。表紙に一目惚れして衝動買いした洋書のレビュー、本に対する偏愛、英語の勉強などについて綴ります。


by Hiroko